アプリの継続率を上げるリテンション施策とキャンペーン活用

「広告費をかけてアプリのダウンロード数は増えたのに、気づけば使われなくなっている」——アプリ運営企業のマーケ担当者が共通して抱える課題です。この記事では、アプリの継続率(リテンション)を高める代表的な施策(プッシュ通知・ログインボーナス・期間限定企画・リエンゲージメント広告)を整理したうえで、既存のX(Twitter)フォロワーを対象にした抽選キャンペーンをリテンション施策として活用する設計を解説します。Day1・Day7・Day30の一般的な継続率の目安も出典付きで紹介します。
アプリの継続率(リテンション)とは
アプリの継続率(リテンションレート)とは、あるタイミングでアプリをインストールしたユーザーのうち、一定期間が経過した後も継続して利用しているユーザーの割合を指す指標です。「Day1継続率」はインストール翌日、「Day7継続率」は1週間後、「Day30継続率」は1か月後にそれぞれ再度アプリを起動したユーザーの割合を示します。
広告のCPI(インストール単価)がいくら低くても、インストール後すぐに使われなくなるユーザーが多ければ、広告費は積み上がるだけで成果につながりません。継続率は、DL数と並んでアプリ運営の健全性を測る中心的な指標です。
Day1・Day7・Day30継続率の一般的な目安
継続率の目安は業界・アプリカテゴリによって差がありますが、複数の海外調査会社(Statista・Adjust・AppsFlyer)のデータをまとめた情報によると、全業界平均ではおおむね次の水準とされています(※1)。
指標 | 全業界平均の目安 |
|---|---|
Day1継続率 | 約24〜26% |
Day7継続率 | 約12%程度 |
Day30継続率 | 約3〜6%程度 |
カテゴリ別では、銀行・金融系アプリ(Day30で約12%前後)やマーケットプレイス系アプリ(Day30で約9%前後)は日常的な利用動機が生まれやすく比較的高めに、逆に生産性系アプリやゲーム(ハードコア)は目的達成後に離脱されやすく低めになる傾向が報告されています(※1)。自社アプリの継続率をこうした目安と比較することで、「一般的な水準なのか、改善余地が大きいのか」を判断しやすくなります。
継続率を上げる代表的な施策
継続率の改善施策は、大きく「アプリ内外からの再訪促進」「利用習慣化のインセンティブ」「離脱ユーザーの掘り起こし」の3タイプに整理できます。
施策 | 内容 | 効くタイミング |
|---|---|---|
プッシュ通知 | 新着情報・お知らせ・パーソナライズしたリコメンドを通知で届け、再起動のきっかけを作る | DL直後〜継続利用期全般 |
ログインボーナス | 毎日・毎週ログインすることに特典やポイントを付与し、利用を習慣化させる | 継続利用期(Day1〜Day30の定着フェーズ) |
期間限定企画 | 季節イベント・限定クーポン・抽選企画などで再訪の理由を定期的に作る | 継続利用期・休眠化の予防 |
リエンゲージメント広告 | アプリを起動していない休眠ユーザーに対し、広告経由で再起動を促す | 離脱・休眠後の掘り起こし |
プッシュ通知については、通知を許可しているユーザーと拒否しているユーザーとで継続率に明確な差が出るというデータもあります。ある調査では、6か月後の継続率がプッシュ通知OFFのユーザーで13%だったのに対し、ON(許可)のユーザーでは25%に達したと報告されています(※2)。通知そのものが継続率を左右する重要な接点であることがわかります。
ログインボーナスや期間限定企画は、通知と組み合わせることでさらに効果を発揮します。例えば「明日ログインすると特典が受け取れる」という通知は、単なるお知らせ通知よりも開封・起動につながりやすい傾向があります。ただし、通知の頻度が高すぎるとかえって通知自体をオフにされてしまうため、配信タイミングと頻度の設計には注意が必要です。
リエンゲージメント広告は、一定期間アプリを起動していない休眠ユーザーに対して、広告経由で再起動を促す手法です。プッシュ通知が届かない(通知を拒否している)ユーザーにもアプローチできる点が強みですが、広告費が継続的にかかる点はCPI獲得と同様の課題を抱えています。
これらの施策は単体でも効果がありますが、「再訪する理由」を継続的に作り続ける必要があるため、担当者の運用負荷が積み上がりやすいという課題もあります。ここで組み合わせる価値があるのが、既存のX運用資産を使ったキャンペーン施策です。
Xキャンペーンをリテンション施策として組み込む設計
アプリ運営企業の多くは、すでに公式Xアカウントで一定のフォロワーを抱えています。このフォロワー(=すでにアプリをDL済み、または過去に興味を持った層)に対して抽選キャンペーンを実施し、結果確認をアプリ内に設定することで、「Xでの応募」と「アプリの再起動」を1つの導線でつなげられます。
設計の基本フロー
- 既存フォロワー向けにXキャンペーンを告知する:フォロー継続または対象ポストのリポストを条件に応募を受け付ける
- 専用LPで応募を受け付け、自動抽選を行う:応募情報を受け取り、サーバーサイドで公平に抽選する
- その場では当落を開示せず、シリアルコードを発行する:応募はその場で完結し、シリアルコードが即時発行される
- アプリを起動してシリアルコードを入力してもらう:ここで初めて当落が判明する。休眠していたユーザーにもアプリを開く強い動機が生まれる
- 当選者には景品・特典をアプリ内で案内する:結果確認のついでに、最新のアプリ内コンテンツにも触れてもらいやすくなる
リテンション施策として効く理由
- 「結果を知りたい」という動機は、プッシュ通知やクーポンよりも開封・起動への訴求力が強い
- 既にフォローしている層への訴求のため、新規ユーザー獲得よりも低コストで再起動を促せる
- 休眠ユーザーに対してX上での告知(リエンゲージメント)とアプリ内起動を1つの流れで設計できる
- フォロワー獲得(認知拡大)と既存ユーザーの再起動(リテンション)を、同じ仕組みで同時に狙える
この設計の土台となる「応募〜自動抽選〜シリアルコード発行」の仕組みについては、シリアルコードキャンペーンの設計方法で詳しく解説しています。新規ダウンロード獲得を目的にXキャンペーンを使う場合の考え方は、アプリダウンロード促進キャンペーンの記事もあわせてご確認ください。
この設計が優れているのは、新規獲得施策(広告・ASO)とリテンション施策を分断せず、1つの企画で両方に効かせられる点です。新規層には「フォロー&リポストで応募できる」という参加のしやすさが刺さり、既存フォロワー層には「アプリで結果を確認する」という再訪動機が刺さります。同じキャンペーンが、対象とするユーザーの状態によって異なる役割を果たすわけです。
業種別の活用例
Xキャンペーン×リテンション施策の組み合わせは、業種によって企画の切り口を変えると効果的です。
業種・アプリタイプ | 企画例 |
|---|---|
ゲームアプリ | アップデートや新イベント告知に合わせて抽選キャンペーンを実施し、休眠ユーザーの復帰を促す。事前登録段階から組み込む設計はゲームアプリの事前登録Xキャンペーンで解説しています |
ECアプリ | 季節セールのタイミングでフォロー&リポストキャンペーンを実施し、結果確認をアプリ内クーポン受け取りと連動させる |
店舗・チェーン系アプリ | 来店促進と組み合わせ、アプリ起動と店頭での結果確認を両方の成果地点にする |
スクール・会員制アプリ | 会員限定の特典企画として実施し、既存会員のログイン頻度を底上げする |
実施タイミングの考え方
Xキャンペーン×リテンション施策は、いつ実施しても一定の効果は見込めますが、次のようなタイミングに合わせると再訪動機がより強くなります。
- 新機能・大型アップデートの直後:「戻ってみたら変わっていた」という体験を作りやすく、再訪後の定着率も上がりやすい
- 季節イベント・記念日のタイミング:普段アプリを使わない層にも参加理由を提示しやすい
- 休眠が進みやすい時期の直前:過去の利用データから離脱が増える時期を把握できていれば、その手前で先回りして実施する
年間を通じたキャンペーン企画のタイミング設計については、季節キャンペーンの年間カレンダーも参考になります。
効果測定の設計:リテンション観点で見るべき指標
Xキャンペーンをリテンション施策として実施する場合、通常のキャンペーンKPI(応募数・フォロワー増加数)に加えて、次の指標を計測しておくと施策の効果を正しく評価できます。
指標 | 見るポイント |
|---|---|
応募者のうちアプリ起動に至った割合 | シリアルコード発行数に対するアプリ内コード入力数。導線の分かりやすさを確認する |
キャンペーン経由起動者のDay7継続率 | キャンペーンをきっかけに戻ってきたユーザーが、その後も定着しているか |
休眠ユーザーの再起動率 | 過去90日以上未起動だった層のうち、キャンペーンで再起動した割合 |
キャンペーン経由と通常起動の継続率比較 | 同じ期間で比較し、施策の上乗せ効果を確認する |
キャンペーン全体の効果測定・KPI設計の基本的な考え方は、Xキャンペーンの効果測定・KPIを解説した記事で整理しています。リテンション施策として実施する場合は、通常のキャンペーンKPIに「起動率」「継続率」を加えて計測する点が特有のポイントです。
よくある質問
Q. Day1・Day7・Day30継続率の目安はどのくらいですか。
A. 海外調査会社のデータをまとめた情報によると、全業界平均でDay1が約24〜26%、Day7が約12%程度、Day30が約3〜6%程度とされています。業種によって差があるため、自社アプリのカテゴリに近い水準と比較することをおすすめします(※1)。
Q. 継続率を上げるにはプッシュ通知とキャンペーンのどちらを優先すべきですか。
A. どちらか一方ではなく、組み合わせるのが効果的です。プッシュ通知は日常的な再訪を促す基礎施策、キャンペーンは休眠ユーザーの掘り起こしや、フォロワー層への訴求に強みがあります。目的に応じて使い分けてください。
Q. Xキャンペーンをリテンション施策として使う場合、新規獲得目的のキャンペーンと何が違いますか。
A. 訴求対象が異なります。新規獲得目的では未フォローの層への露出を重視しますが、リテンション目的では既存フォロワー・既存ユーザーへの再訪促進が主眼になります。KPIも「起動率」「継続率」を追加で計測する点が異なります。
Q. 結果確認をアプリ内にすると、応募のハードルが上がりませんか。
A. 応募の手順自体(フォロー・リポスト・エントリー)は通常のキャンペーンと変わらないため、応募のハードルは上がりません。変わるのは結果を確認するタイミングと場所だけです。
Q. 休眠ユーザーにもXキャンペーンの告知は届きますか。
A. Xでフォローを継続している限り、タイムラインや通知経由で告知に触れる可能性はあります。ただし確実に届けたい場合は、プッシュ通知やメールなど他のチャネルと併用することをおすすめします。
継続率向上とXキャンペーンを両立させるなら
ここまで、継続率の一般的な目安と、既存フォロワーを対象にしたXキャンペーンをリテンション施策として組み込む設計を解説してきました。応募収集・自動抽選・シリアルコード発行・アプリ連携を自社で一から構築するのは負荷が大きい作業です。
アタリスタは、X(Twitter)のフォロー&リポストキャンペーンを自動化できるインスタントウィン抽選ツールです。応募収集から公平な自動抽選、シリアルコード発行までを自動化し、当選結果の確認をアプリや店頭に設定できるため、フォロワー獲得で終わらせずアプリダウンロードや来店につなげられます。
- 1回¥29,800からのスポットプランで小さく試せる
- 設定作業は運用代行込み。担当者の手間はほぼゼロ
- 自社検証では参加14,374件・フォロワー+10,390を実測
※1 継続率の目安は、Sendbird「アプリのリテンションベンチマーク(業界別内訳)」(https://sendbird.com/ja/blog/アプリ保持ベンチマーク-産業別内訳)で紹介されているStatista・Adjust・AppsFlyer各社のデータに基づく。
※2 プッシュ通知ON/OFFの継続率データは、株式会社アイリッジのブログ記事(https://iridge.jp/blog/202107/29474/)で紹介されているUrban Airship社の調査(2,400アプリ・5億プッシュ対象)に基づく。